📚 いぬい とみこ

2024/09/07

 とても短い作家評第27回です。

 いぬいとみこは戦後の日本の児童文学を担った児童文学者のひとりです。


 『ながいながいペンギンの話』はアデリーペンギンの子供ルルとキキが生まれてから、 行方不明になったり、シャチに追いかけられたりしながら、次第に成長し、 いつかりっぱな大人のペンギンになる過程を3部にわけて描いた作品です。

 というと大作のように思うかもしれませんが、実際は3つの短編をつなげた連作で、 一気に読める分量です。 ルルは元気よく何にでも挑戦する兄、キキは少しこわがりやの素直な弟です。 人間と仲良くなったり、迷子になったり、シャチを倒したり、少し危ない兄弟の行状を、 作者は母親の目線でやさしく描いており、読後何かあたたかい気分になります。

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