📚 石川啄木

2024/08/10

 とても短い作家評第20回です。

 石川啄木は夭折した明治時代の天才歌人です。 短歌を三行書きし、詩に近い印象を与えようとした人でもあります。 「たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず」など 有名な和歌を多数作っています。

 神童と呼ばれるほど頭がよかったようですが、 当時はやった社会主義運動に首をつっこんだことで学校を追われてから苦難の生活が始まります (「石をもて追はるるごとく ふるさとを出でしかなしみ 消ゆる時なし」)。


 上京して、与謝野鉄幹・晶子夫妻の『明星』に会い、 何とか文筆の世界で生活の糧を得ようとして果たせず、 代用教員や新聞記者などの職を求め、東京、岩手、北海道を転々とします。 「はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る」は その間の様子を歌っています。 「かにかくに渋民村は恋しかり おもひでの山 おもひでの川」は絶唱でしょう。 早世したとはいえ、啄木の名は後世に燦々と残っています。

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