📚 フィリパ・ピアス

2024/11/07

 とても短い作家評第42回です。

 フィリパ・ピアスはイギリスの女流児童文学作家です。 カーネギー賞を受賞した、タイムスリップものの『トムは真夜中の庭で』が有名ですが、 ここでは『真夜中のパーティー』という短編集からその作風を紹介してみましょう。


 この短編集には「よごれディック」「真夜中のパーティー」「ふたりのジム」などといった8作品が おさめられています。 いずれも、ケンブリッジに近いグレート・シェルフォード周辺の自然を背景にして書かれています。 「ふたりのジム」は耳の不自由なひいおじいさんと無口な子供との心の交流を描いた作品です。 4人の子を育てる未亡人の一家に、年金暮らしの老人がやってくるのですが、 にぎやかさの中に、老い、孤独といったものがまじった、不思議な読後感があります。 ブラッドベリにも似ていますし、ソ連時代のラスプーチンという作家の作品も思い出されます。

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