📚 グリム兄弟

2024/09/27

 とても短い作家評第32回です。

 グリム兄弟はドイツのメルヘン研究家で、その採録は国中からの聞き取り、 前世紀の寓話集、アラビアンナイト、ペロー童話などゲルマン民話全般にわたります。


 『グリム童話』に収録された作品は一般にメルヘンと呼ばれ、 登場人物は操り人形のようで、ある意味で不合理な話の進行こそがお話の中心だと言われます。 「赤ずきん」「白雪姫」「オオカミと七匹の子ヤギ」「いばら姫」「ブレーメンの音楽隊」 「ヘンゼルとグレーテル」など、誰でも知っているお話がいっぱいあります。 ペロー童話で有名な「シンデレラ」のバリアント「灰かぶり」もあります。

 ここでは『金の鳥』というお話を紹介しておきましょう。 金のリンゴ盗まれるので王様が調査を命じ、庭師の末っ子が犯人は金の鳥だとつきとめます。 末っ子が金の鳥をつかまえるのをキツネが助けてくれるのですが、 そのために金の馬、お姫様を手に入れる必要が起き、上の兄たちのじゃまもあって、 その冒険は困難をきわめます。 一番の問題は、末っ子がキツネの言いつけを完全に守らないことでした。 しかし、何とか使命を達成した末っ子たちの前にキツネは王子の姿となって現れます。 よいメルヘンは、人の心をきれいにしてくれ、少し天国が近くなる気がします。

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