📚 オー・ヘンリー

2024/10/09

 とても短い作家評第35回です。

 オー・ヘンリーはアメリカの短編小説家です。 数年の刑務所生活の後、雑誌や新聞に次々短編を発表し、 40才前後でデビューを果たすという異例の経歴の持ち主です。 「最後のひと葉」「賢者の贈り物」「二十年後」などが有名ですが、 確かに犯罪ネタが多いように思えます。


 「最後のひと葉」は肺炎で死にかけた若い芸術家のために、 老人画家が散ってしまわないよう、嵐の晩に壁に葉っぱと枝の絵を書くというお話で 教科書にも載るほど有名ですが、人情譚で、少々作り物じみています。 「賢者の贈り物」もそうですが、ヘンリーの作品は下手をすると、 この偽善臭が感じられなくもありません。 「よみがえった良心」「二十年後」のように、アンハッピーエンドを装った作品のほうが よほど自然に受け入れられるのは、人間の性なのでしょうか。

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