📚 J・R・R・トールキン

2024/05/19

 とても短い作家評第6回です。

 J・R・R・トールキンはイギリスが生んだファンタジーの巨匠です。 『指輪物語』(The Load of The Rings)、『ホビットの冒険』(The Hobbit)の2作が有名で、 いずれも映画化され、高い評価を得ています。 ぼくは小学校の5, 6年の頃『ホビットの冒険』に出会い、それ以来作者のファンになりました。

 『指輪物語』のほうは大学時代、翻訳がまだ出ていなかったので原書で読んだのを覚えています。 ただ、もともと児童文学好きなせいもあるのでしょう、 『ホビットの冒険』のシンプルな展開のほうが好きです。 『指輪…』のほうにも出てくるホビットという小人族のビルボ・バギンズという主人公が、 同じ小人のドワーフ族13人の冒険に巻きこまれ、 はなれ山の竜退治に出かけるというお話です。


 有名な魔法使いガンダルフ、妖精、巨人、大グモ、悪鬼と狼、大鷲、 それに動物に変身する人間などが登場し、 山を貫く洞窟、くらやみの森、水上都市、宮殿を舞台として、物語は繰り広げられ、 最後に7軍が集う大戦争まで起きてお話は終わります。 今回、何回目かに読み返し、改めて丁寧に書かれ、 子供たちへの愛情が伝わる素晴らしい作品だと思いました。 主人公の小人が50才であることをはじめ、 子供たちが感情移入しにくい書き出しですが、 中盤を過ぎたあたりからそれも気にならなくなり、どんどん読み進められるでしょう。 読んでいると、とにかく幸せな気分になります。 この点、設定が極めてよく似た、しかしホラータッチの『ハリー・ポッター』とは違う気がします。

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