📚 ぬけ穴の首 西鶴の諸国ばなし

2024/11/27

 とても短い作家評第47回です。

 『ぬけ穴の首 西鶴の諸国ばなし』は廣末保氏による井原西鶴の翻案短編集です。 井原西鶴は日本のシェークスピアと呼ばれる作家なので、 ラム姉弟の『シェークスピア物語』の向こうを張って企画されたのでしょう。


 主に『西鶴の諸国噺』に材を取り、大人向きの内容は子供向きに書き変えられています。 7編が収録されていますが、確かに「ぬけ穴の首」が一番出来がいいようです。 江戸時代の、ある藩の侍の敵討ちの話で、ほとんど「因果の抜け穴」という原話通りですが、 最後に判右衛門の息子判八の落命の顛末が変えられています。 森鴎外あるいは上田秋成の作品のような緊迫感があります。

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